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ズオン・ティ・トゥイ・リンさんによると、この日本の防護ネット修繕の仕事は他の仕事に比べてきついものではないものの、緊張を伴うという。リンさんは45歳を超えており、人生の半分以上をこの仕事に費やしてきたことになる。仕事を始めたばかりの頃、リンさんの手は赤く腫れ上がったという。
「この仕事を始めたばかりの人が一番恐れるのは、仕事の間ずっと立ちっぱなしなこと。丸1か月続けてようやくこの仕事に慣れてきますが、ずっと立ちっぱなしで動き続けるので、慣れていないとものすごく疲れてしまいます」。リンさんによると、もし疲れていたり家庭の事情がある場合は仕事を休むことができるが、工場に来たら集中してテンポ良く作業をしなければならないという。
280人の作業員は、ネットに付いたセメントを落とす、ネットを洗う、乾かす、穴の空いた箇所を確認する、ネットを補修する、梱包する、という一連の作業を1つのライン上で行い、どの工程も手を抜くことはできない。1つでもミスがあれば他の工程にも問題を引き起こして不良品となり、パートナーの信用を失ってしまうからだ。
ネット修繕技術訓練工場で作業員の副監督を務めるチャン・ティ・トゥエット・ニュンさんによると、同工場は1994年に設立され、今日まで日本のパートナーからネット修繕の仕事を委託されている唯一の工場だという。設立当初は毎週コンテナ数台分の受注量だったが、現在は毎週40フィートコンテナ20台分ほどになった。ネットは日本からホーチミン市2区カットライ港に輸送され、それからコンテナトラックでベンチェ省の工場まで運ばれる。
「工場内は多くの小さなエリアに分けられ、各エリアに異なる作業が割り当てられています。はじめにハンマーやナイフを使ってネットについているセメントを落とし、それから綺麗に洗います。そして乾燥機にかけ、修繕工場に渡します。ここで作業員は修繕する必要のあるネットのほつれ箇所を確認します。修繕した後も見落としがないか2、3度再確認し、それから梱包して日本へ送ります」と、ニュンさんはネット修繕作業の各工程について教えてくれた。