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地雷により両手を失い、両足にも障害を持つファン・チョン・ヒエウくん(14歳)は、画家になるという夢を実現させるため、両手にプラスチック製のパイプを装着し、父親の送迎で毎日学校に通っている。
父親が作ってくれた魔法のペン
「ペンギン」という愛称で呼ばれているヒエウくんは、南中部沿岸地方クアンナム省ダイロック郡アイギア町5区に住んでいる。ヒエウくんの父親であるファン・ニーさんは農作業を終えると息子を迎えに急いでグエンチャイ中学校に向かう。終業の太鼓が鳴るとニーさんは校門に走り、ヒエウくんをバイクの前に乗せる。ヒエウくんには両手がないので、後ろに乗っても父親の背につかまることができないからだ。
ヒエウくんについて尋ねられると、母親のグエン・ティ・ゴック・ダオさんは、3年前の恐ろしい事故を思い出して言葉に詰まった。「それは2013年11月初めの午後でした。授業が終わり、ヒエウは近所の子ども2人と一緒に山へ牛の放牧に行き、戦争時代の地雷を見つけました。子どもたちが好奇心から地雷に石を打ち付けると大きな爆発音が響きわたり、3人とも地面に叩きつけられました。息子は一番大きな怪我を負いました。両手を切断し、両足は歩くのが困難なほどの障害が残りました…」。
妻が話すのを聞き、ニーさんは涙をこぼしながら続けた。「私たち夫婦には5人の子どもがいます。ヒエウは末っ子で、唯一の男の子です。ようやく授かった男の子で、小さい時から賢く元気な子だったので、家族は皆ヒエウを誇りに思い、期待をかけていました。まさかこのような事故に遭うなんて思ってもいませんでした…」。