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ハノイ市人民委員会が管理する理髪店
夕方4時、ホアンキエム区に住むフウ・アインさんは、妻と5歳の孫ドゥック・キエンちゃんを連れて店を訪れた。孫のキエンちゃんをその日担当したのは、女性理髪師のハンさん。ハンさんは、笑顔で彼をイスに座らせた。
「格好良く切ってあげるから静かに座っていてね。キョロキョロするとうまく切れないわよ」。キエンちゃんは静かに座って髪を切ってもらっていた。フウ・アインさんいわく、近所にたくさん理髪店はあるけれども、技術が高くサービスの良いここに必ず連れてくるのだという。
バーディン区に住むホアン・ダムさんは、毛染めをする間、数十年来の常連であることを教えてくれた。「もう長いこと毎月ここに髪を切りに来ているよ。髪型を伝えなくても、ここの理髪師たちはどのようにして欲しいのかわかっているんだ」。
創業から数十年の間にマウジック理髪店を訪れたたくさんの客たちは、ただ髪を切るだけでなく、理髪師たちとの会話も楽しみに来ている。
ホアンマイ区リンダム半島(リンダム湖の中州)に住むグエン・フック・ロンさんはこう語る。「家からはバイクで30分ぐらいかかるけれど、いつもここに来ます。ここはシンプルでいて丁寧。別の店だとなかなか満足できません。ここでなら理髪師の皆さんと昔話に興じることもできますしね」。
職業と共に生きて共に死ぬ
この店で働きたければ、およそ1年間の修業が必要だ。また、生活していくためには、土日や祝日も働かなければならず、テト(旧正月)も公務員と同様に5日間しか休めない。月の平均収入は500万~600万VND(約2万5500~3万0600円)。それにもかかわらず、他の店から高い給料で誘われても皆が辞退するのだ。