(C) Dan Tri, ゾーさん(中央)と子供たち 写真の拡大 |
タインホア省ムオンラット県ムオンリー村サールン村落に住むモン族の少女スン・ティ・ゾーさんは、9人兄弟の5番目に生まれた。彼女は幼いころから、畑を耕すだけの地べたに這いつくばるような苦しい生活から抜け出すため、文字の読み書きを勉強したいと思っていたという。
彼女は、学校に行くと決めてから1日も休むことなく、片道7キロ以上もの道のりを歩いてムオンリー中学校へ通っている。家族は別の畑で仕事をすることになり遠い村落に移って行ったが、彼女は学校に通うためサールン村落の家に残ることになった。
彼女の兄や姉たちは小さいころから両親と畑に出て学校に通えず、家族は誰一人として文字を読むことができない。「兄弟たちに文字を教えてあげたい」と彼女は言う。文字を知らないばかりに、畑と牛の世話しかできないからだ。
彼女は小学生かと思うほどかなり小柄な体格だが、教師や友人たちの誰もが感心するほど勉強への情熱は人一倍だ。更に彼女は、11歳になる前から両親と離れて暮らしているというだけでなく、4歳の妹、5歳の双子の弟に加え、4歳と5歳の姪の合計5人もの子供たちを「育てている」というから驚きだ。「畑に行かずに勉強させてもらっているのだから、子どもたちの面倒を見るのは当然のこと」と彼女は言う。