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ここ2年ほど、ベトナムの新郎新婦の間で、披露宴の出席者の指紋を押した「寄せ書き」を作るのが流行している。披露宴では出席者に署名してもらうサイン帳を用意するのが一般的だが、この「寄せ書き」は、木の幹だけを描いた台紙の上に色とりどりの指紋とお祝いのメッセージを残してもらう。
出席者が一つ一つ押した指紋が葉っぱとなり、夫婦の幸福を象徴するような生き生きとした大木が徐々に形作られ、人生の節目に相応しい思い出の「芸術作品」が完成する。
この「寄せ書き」を考案したのは、商業大学の造形工業科に在籍する「美しすぎる画家」ミン・ドゥックさん。彼女がこの「寄せ書き」を初めて手がけたのは、知人の結婚披露宴に出席した時のこと。友人たちと色々な素材を使って試してみて、インクをつけて指紋を押すことを思いついた。「手軽で、なおかつ深い意味があるところが魅力だと思います」と彼女は言う。
その後彼女は、これを「寄せ書きサービス」として販売することにした。作成に必要なのものは、鉛筆と厚紙、絵の具とインク、そしてインク入れ。木の幹などのベースとなるデザインは、彼女が思いつくまま描くこともあるし、顧客が希望するデザイン見本を参考に作成することもあるという。