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サイゴンコープにこの人あり、という女性がいる。サイゴンコープ投資開発株式会社(SCID)会長のグエン・ティ・ギア女史だ。60代になった今も、その名を轟かす彼女にインタビューを行った。
―国が市場経済に変わり始めた時、多くの国営企業が衰退していきました。サイゴンコープは、その中でも継続し今日に至るまで発展し続けている稀な例と言えるかと思いますが。
サイゴンコープは誕生当時、非常にその時代の要求にかなっていました。その時点で既に国営企業は落ち込み始めていたので矛盾しているようですが、まさにドイモイ政策こそがサイゴンコープの基盤と発展の条件を与えてくれたと言えます。ドイモイ政策は競争を激しくしたものの、一方で私たちを奮い立たせました。
―変わりゆく社会の中で生き残っていくためには、自らの変革も必要だったかと思いますが、そのモデルを築いていく中で助けとなったものがありますか。
国営企業に社会的な意義を見いだした運動家の「全ての人が全ての人のために」という言葉です。国内の国営企業が衰退し、それまで模範としていた東欧諸国の国営企業まで次々とだめになっていったときには、とても動揺しました。ちょうどその頃、国際国営企業連盟の代表がベトナムを訪れ、日本や米国、西欧の国々で成功している事例を教えてくれました。実際に現地を訪れ、それらを模範にしつつ作り上げていったのです。