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メコンデルタ地方ドンタップ省ラップボー郡ロンフンアー村に住む女性ダン・ティ・バイさん(66歳)は、ベトナム戦争従軍中に銃弾を受けて半身の手と足が不自由な傷病兵だが、今も村内を回って宝くじを売り歩いている。
バイさんは今年の旧正月、ロンフンアー村人民委員会の幹部に、烈士(戦死者)の墓苑整備のために7000万ドン(約28万円)を寄付したいと申し出た。幹部は、同村には既に144基の烈士の墓があるかなり立派な墓苑があったことから、「ご自分の老後のためにとっておくように」と説得した。
しかしバイさんは、「家や畑を売ったり、人から借りたお金ではなく、自分がこつこつ貯めたお金だから安心して使って欲しい。47年前に交わした仲間たちとの約束を果たすことが、人生後半の希望だった。実現しなければ死んでも死に切れない」と逆に幹部を説得した。
こうして144基の烈士の墓は全て高級タイル貼りの美しい墓に生まれ変わった。ラップボー郡のグエン・ティ・トゥー・ホン元労働傷病兵社会課長は「7000万ドンは農村では少なくない金額だ。特にバイさんのように傷病兵で、3人の子供を引き取って育て上げた人にとっては」と語った。