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- 複数の個人から不動産開発用地を不正取得
- 元会長と娘の元副社長2人に有罪判決
- 約64億円相当の不動産を不正取得
地場大手飲料メーカーのタンヒエップファット商業サービス社(Tan Hiep Phat)のチャン・クイ・タイン元会長 兼 社長(男・71歳)とその娘2人の計3人が、企業経営者など複数の個人から不動産開発用地を不正取得した事件で、ホーチミン市人民裁判所は25日、3人に有罪判決を下した。
主犯格のタイン被告は禁固8年の判決を言い渡された。長女チャン・ウエン・フオン元副社長(43歳)は禁固4年、次女チャン・ゴック・ビック元副社長(40歳)は執行猶予付き禁固3年の判決だった。3人はいずれも信頼を悪用した資産横領罪に問われていた。
被告らは裁判で罪状を認め、裁判所は、◇被告らが深く反省し捜査に協力的だったこと、◇前科がないこと、◇社会に大きく貢献したことなどを検討した上で、情状酌量の余地があるとして判決を下した。
被告らは2019年から2020年にかけて、不動産開発用地を所有する4人の個人に3%の月利で資金を貸し出した。その際、違法な高利貸しであることを隠ぺいするため、「不動産案件購買契約を装った金銭貸借契約」などの形で契約を交わした。
この金銭貸借契約では、借主の所有する不動産開発用地が担保資産とみなされていた。契約締結の時点で、担保となる不動産案件の実際の価値は、借入金の何倍にも上っていた。タイン親子はその後、借主による支払いの受け取りを拒否し、不動産開発用地を占有し続けた。
タイン親子はこの手口で、不動産デベロッパーであるキムオアイングループ(Kim Oanh Group)のD・T・K・O会長の不動産案件2件、N・V・C氏の土地29区画(ホーチミン市ビンタン区)、L・S・H氏の土地4区画(同市直轄トゥードゥック市)、N・H・D氏の土地2区画(同市ビンタン区)を騙し取った。
タイン親子は、同4人の個人から合わせて1兆0480億VND(約64億円)相当の不動産を不正取得したことが確認されている。
なお、裁判所は、問題の「不動産案件購買契約を装った金銭貸借契約」を無効化することを決定し、借り手に対し、被告らに借入金を返済するよう命じた。