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ギネス世界記録を持つベトナムの「サーカス王子」兄弟ことザン・クオック・コーさん(39歳)とザン・クオック・ギエップさん(34歳)が、頭の上に逆様になった相手の頭を乗せた状態でバイクを運転するという広告が、大きな話題になっている。
これに関連し、モデルで女優のゴック・チン(Ngoc Trinh、34歳)が、大型バイクに乗って危険運転をする動画をソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿し、これに先立つ10月中旬に治安びん乱の容疑で逮捕されたため、ザン兄弟も違法行為を犯したのではないかと懸念する声があがっている。
ザン兄弟が出演したこの広告は、電動バイクの生産・販売を手掛ける地場スタートアップのダットバイク(Dat Bike)のもので、ホーチミン市直轄トゥードゥック市アンカイン街区にあるマンション「トゥアンベト(Thuan Viet)」内の道路で約2か月前に撮影された。
広告内には「これはプロのサーカスアーティストによる演出で、いかなる形であっても真似をしないでください」という字幕が表示されていた。ザン兄弟は、頭の上に逆様になった相手の頭を乗せた状態で階段を上り下りするというギネス世界記録を持つ、世界的なサーカスアーティストとして知られている。
トゥードゥック市警察は既にザン兄弟を召喚し、2人の事情聴取を行った。これまでの捜査結果によると、2人はスタッフのサポートを受けながら保護ベルトなどの安全保護具を装着した状態で撮影に臨んでいたことが確認された。撮影現場は関係者以外の立ち入りが禁止され、広告制作プロセスを撮影した動画も証拠として公開された。
警察は初動捜査結果を踏まえ、ザン兄弟の広告はゴック・チンの動画とは異なる背景で撮影されたものであり、行為とその本質も異なるとの判断を示した。警察は2人から提供された情報と書類などを受け取っており、制作会社などの関係者も召喚するなどして、さらなる検証と事実確認を行った上で、現行規定に従い対応する方針だ。
なお、一方のゴック・チンについては、大型バイクの免許を取得していないにもかかわらず、ハンドルを握らずに立ち上がって両手を広げたり、シートにひざをつけたまま走行したりするなど、アクロバティックな危険運転をしていた。撮影現場は、トゥードゥック市のトゥーティエム新都市区内やサイゴンハイテクパーク(SHTP)内にある道路だった。