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19世紀から20世紀初頭にかけて罹患率・死亡率が特に高かったジフテリアが、ベトナム北部の山岳地帯で再燃している。東北部地方ハザン省と西北部地方ディエンビエン省では複数の感染者が確認され、死者も出ている。
20年ぶりにジフテリア感染者が確認されたハザン省では、これまでに感染者数が30人以上となっており、このうち1人が死亡。死亡したのはモン族の少年V・M・D君(15歳)で、8月24日にメオバック郡(huyen Meo Vac)医療センターで死亡が確認された。
同省医療当局は隔離施設を設置し、感染者の治療を行っている。ハノイ市の中央衛生疫学研究所と中央小児科病院の医師らも同省で治療に当たっている。
一方、ディエンビエン省では、4月30日から5月21日までの間にディエンビエンドン郡プーニー村(xa Phu Nhi, huyen Dien Bien Dong)で感染者2人が確認され、このうち1人が死亡した。
ジフテリアはベトナムでBグループの感染症に分類されている。ジフテリアワクチンは既に国家ワクチン予防接種プログラムに導入されているため、国内では罹患率が低い水準に収まっている。
しかし、最近は遠隔の山岳地帯で罹患率が増加傾向にあり、医療関係者は保護者に対し、子供へのワクチン接種を十分に行うよう呼び掛けている。