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バイク・自動車などのモータービークルに対するナンバープレートの登録・発行に関する公安省通達第24号/2023/TT-BCA(8月15日施行)により、ナンバープレートが車両所有者の個人識別番号(国民に割り当てる身分証明書上の12桁の番号=マイナンバー)に基づいて発行・管理されることとなった。
車両を譲渡する場合、所有者は車両所有権移転に関する書類締結日から30日以内に車両登録証明書とナンバープレートを管轄当局に返還し、取り消し手続きを行わなければならず、違反した場合には最大800万VND(約4万8000円)の罰金を科される可能性がある。
施行から半月余りが経ち、同通達は中古バイク業界に大きな影を落としている。
ホーチミン市フーニュアン区ファンダンルウ(Phan Dang Luu)通りで20年にわたって中古バイク売買業を営むホアンさんは、これほどまでに商売が落ち込んだことはないと嘆く。
居ても立ってもいられず、この5日ほどは自ら店に出て来客対応しているが、1台も売れない。中古バイク店が軒を連ねる通りであるため、気になってしばしば店頭に出て周囲を見渡すが、見えない客足に出てくるのはため息ばかりだ。
「新しい規定だと、所有者はナンバーの取り消し手続きをしなければなりませんが、すでに何人もの所有者を経たバイクで、売ってしまえばいちいち時間を割いて取り消し手続きをする人などいません。買う人も売る人も敬遠して、私たちのような売買業者はただ天を仰ぐだけです」とホアンさん。
店頭には約60台のバイクが並ぶ。以前は1日に1~2台は売れていたが、今はたまに見に来る人がいる程度で、そして一様に「何だか手続きが大変になったと聞いたので」と言って店を後にする。
ホアンさんの店の1日あたりの経費は、人件費や賃貸料などしめて250万VND(約1万5000円)、1か月で7500万VND(約45万円)だ。1台あたり500万~1000万VND(約3万~6万円)の値下げをしているが、それでも売れないという。
「市民は罰金を嫌っています。手続きのために警察に行くことですら気が進まないのに、罰金がついてくるものだから余計に気が重くなるんです。譲渡の手続きがスムーズに行くようになることを願うだけです」とホアンさんは話した。