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ハノイ市街路樹価格水増しに関する汚職事件で同市人民裁判所は28日、同市の元幹部や複数の会社スタッフなど計15人の被告に有罪判決を下した。
このうち、ハノイ市共産党委員会元副書記 兼 同市人民委員会元主席のグエン・ドゥック・チュン被告(男・56歳)は、公務執行における職権乱用罪に問われ、禁固1年6か月の判決を言い渡された。
チュン被告の指示のもと、市は2016年から2018年にかけて、市人民委員会傘下のハノイ街路樹公園有限会社(Hanoi Green Trees Park)など、経営陣にチュン被告と密接なコネクションがあるシンタイサイン社(Sinh Thai Xanh)に多数の街路樹を発注していた。
被告らは、市内の街路樹の手入れ・植え替え・植樹事業において、談合により街路樹の価格を水増ししていたほか、街路樹の一部を中国から密輸していたことも確認された。街路樹の価格は大幅に水増しされ、国に347億VND(約2億1000万円)の損失をもたらした。
残る被告14人は、◇密輸罪、◇公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し損失・浪費をもたらした罪、◇インボイス違法印刷・発行・売買罪、◇責任を果たさず甚大な被害をもたらした罪に問われ、最も重い量刑では禁固7年の判決となった。
なお、チュン氏は別の3件の刑事事件にも関与して有罪判決を受けている。内訳は以下の通り。
◇同氏の指示のもとで側近らが捜査書類を略奪した事件の非公開裁判(2020年12月):禁固5年
◇市人民委員会傘下のハノイ下水排水社(Hanoi Sewerage And Drainage)が市内の湖水浄化処理のためとして競売入札を行わずに同氏の裏会社から水処理薬品を高価格で購入した汚職事件の控訴審の裁判(2022年6月):禁固5年
◇携帯電話小売チェーン「ニャットクオン・モバイル(Nhat Cuong Mobile)」を運営していたニャットクオン貿易・技術サービス(Nhat Cuong Trading & Technical Services)による密輸密売やマネーロンダリング、談合などとこれに関連する市計画投資局での違反事件(控訴審):禁固2年
今回の判決も含めると、同氏に対する禁固刑は合わせて13年6か月となる。