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ホーチミン市1区のサイゴン中央郵便局で長年にわたって英語やフランス語の手紙を代筆し、最後の代筆屋として知られていたズオン・バン・ゴさんが1日、亡くなった。94歳だった。
ゴさんの末娘のズオン・ティ・イエンさんによると、ゴさんは1年ほど前から身体が衰弱し、時々苦しそうに呼吸するようになっていた。1日午後にも苦しそうに呼吸しているのをみて、6区の知り合いの家に酸素ボンベを借りに行って午後7時半ごろ帰宅し、ボンベの準備をしていたという。
ゴさんが身体を起こすのをイエンさんが胸で支えていると、ゴさんは「ここは統一会堂のようですね」と言った。イエンさんが「ここは自分の家よ、お父さん」と答えると、ゴさんはそれっきり何も答えず、イエンさんの腕の中で息を引き取ったという。「父は月餅とマンゴスチンが好物でした。この日も買って帰りましたが、食べることなく亡くなってしまいました」とイエンさん。
ゴさんは16歳の時に郵便局に就職し、1990年に定年を迎えた。その後も郵便局で仕事をしたいと、得意の英語とフランス語を活かして代筆屋を始め、2020年末に引退するまで30年余り代筆の仕事を続けていた。