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ハノイ市人民裁判所で11日に始まった、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を背景に運航された帰国者など向けの特別便の認可を巡る汚職事件の裁判で、収賄罪に問われているブー・ホン・ナム前駐日ベトナム特命全権大使(男・60歳)は18日、犯行について陳情した。
起訴状によると、被告はニャットミン社(Nhat Minh)社長のレ・バン・ギア被告から18億VND(約1050万円)を受け取ったとされる。ナム被告の支援のもと、同社は6便の帰国便を手配した。
検察側は犯行の背景を検討した上で、ナム被告に禁固4~5年を求刑した。ナム被告は裁判で涙ながらに罪を認め、「反省している犯罪者に対する検察側の寛大さと人道的な扱いに感謝する。賄賂を受け取ったことについては弁明のしようもない」と述べた。
ナム被告の弁護士は、「ナム被告が企業側に金銭を求めたことは一度もなかった。帰国便の手配から3か月後のテト(旧正月)のころに、ギア被告はナム被告に何度も電話をかけてきて、面会した際にナム被告にプレゼントを渡した。ギア被告が帰った後、ナム被告はプレゼントの中に現金が入っていることに気づいた」と述べた。
大使館が支援する無料帰国便57便と有料帰国便16便のうち、汚職があったのはニャットミン社が手配した6便だった。大使館の支援によるフライトは他の同様のフライトと比べて運賃が安く、1 人当たり約2800万~3000万 VND(約16万4000~17万5000円)程度だった。ナム被告は起訴・逮捕後に、受け取った賄賂の全額を国に納付した。
弁護士はこうした事情を踏まえ、裁判所に対し、ナム被告について特別な情状酌量を求めた。