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公安省傘下の麻薬犯罪捜査警察局(C04)は22日、大規模な麻薬密輸ルートの元締めをしていた疑いで逮捕したブー・ホアン・オアイン容疑者(女・65歳)の義兄(夫の兄)のファム・コン・ザン容疑者(男・65歳)を、同ルートで重要な役割を担っていた疑いで逮捕したと発表した。
C04は、2018年5月に麻薬密輸ルートを摘発した。これまでにルートのメンバーら合わせて37人を逮捕している。ルートの取引量は1.6tに上るとされる。
C04の調べによると、ルートの摘発後、ザン容疑者らはカンボジアに逃れ、同地在住で指名手配中のベトナム人やカンボジアと共謀して犯罪グループを結成。麻薬の取引やベトナムへの密輸を続けていた。
C04はオアイン容疑者を逮捕後の2022年12月27日、東南部地方タイニン省モクバイのカンボジアとの国境地帯に潜んでいたザン容疑者を逮捕した。ザン容疑者らのグループは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や外国の電話番号のSIMカードを使って連絡を取り合い、国内では配車サービスのバイクを使って、国境を超える場合は偽名で輸送会社を使って麻薬を運搬していた。
なお、先に逮捕されていたオアイン容疑者は、1990年代の北部の裏社会を牛耳っていた「ゴッドマザー」ことブー・ティ・ホアン・ズン(女、通称:ズンハー)の実の姉。ズンハーは、南部の「ゴッドファーザー」だったチュオン・バン・カム元死刑囚(通称:ナムカム)と対立し、2000年にホーチミン市1区の路上でナムカムの手下によって暗殺された。これがきっかけとなり、警察はナムカムらが率いる犯罪グループの一掃に踏み切った。
ホーチミン市人民裁判所は2003年、ベトナム史上最大の刑事事件となった同事件の裁判で、ナムカムを含む6人の被告に死刑判決を下し、ナムカムは2004年、銃殺刑に処された。同事件の被告人の数は156人にも達し、ベトナムの刑事事件で史上最多となっている。