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南部メコンデルタ地方ロンアン省の中学教師チャン・クオック・チョンさんは、ドラゴンフルーツからエッセンシャルオイル、口紅、肌クリームなど様々な商品を生み出した。
新年が明けて間もなくの日、チョンさんは、自分が担当する物理・化学の授業を他の教師に頼み、ドラゴンフルーツの種から採れる油を商品化する研究結果の審査に挑んだ。
チョンさんの会社とロンアン省科学技術局との契約に基づき、20億VND(約1100万円)あまりの費用をかけて実施された研究で、審査員は、ドラゴンフルーツから種を取り出し、種を乾燥させエッセンシャルオイルを抽出し、それが香水や口紅、肌クリームといった商品になるまでのプロセスが確認できると、満足気な表情を浮かべた。「審査会は、研究を『成功』と評価しました。どの製品も商品化できます」と同省科学技術局のホー・ティ・ジエップ・トゥイ副局長はコメントした。
これ以前に省内で行われた見本市でも、ドラゴンフルーツから作ったエッセンシャルオイル、口紅、肌クリームを披露して試供品として配り、多くの興味・関心を集めていた。「ドラゴンフルーツのエッセンシャルオイルは、ちょっとアブラ臭くて、ザボンやカユプテのエッセンシャルオイルと比べて香りも弱いですが、全体としてはとても心地よい感じがします。引き続き、改善に取り組んでいます」とチョンさんは正直だ。
ロンアン省タンチュ郡(huyen Tan Tru)という稲作地帯で育ったチョンさんが、ドラゴンフルーツと親しみ始めたのは、結婚して、同省ロンチー村(xa Long Tri)の妻の実家で暮らすようになった約20年前のこと。
その後、ロンアン省で稲作に替えてドラゴンフルーツ作りが広まり始めた時に、ベトナム園芸協会でドラゴンフルーツの利用方法の拡大に関する議論を聞き、自分の持つ化学の知識が活かせるのではないかと感じ、ドラゴンフルーツを利用したドリンク作りに取り組んだ。それから、マンゴー、パッションフルーツ、カカオなどを利用したドリンク作りへと手を広げた。
今チョンさんが経営する会社では、10人あまりの従業員で、ドラゴンフルーツを余すところなく活用する生産を行っている。現在は、皮や従来捨てていた部分を利用した肥料づくりに取り組んでおり、成功すれば、「ドラゴンフルーツの実はどこも捨てるところのない、市販できる商品となります」とチョンさんは自信を持って話した。