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ハノイ市ホアンキエム区チャンフンダオ(Tran Hung Dao)通りにあるクアンスー寺(舘使寺=chua Quan Su)の故ティック・タイン・トゥー住職の等身大像は、手の腱、しみ、眉毛、毛髪など細部に至るまで本人に酷似しており、訪れる多くの人々を驚かせている。
トゥー元住職は生前、ベトナム仏教協会治事委員会の副委員長なども務め、2011年に死去した。住職が亡くなると、ベトナムとタイの信者や僧侶らが敬愛の念から、タイの彫刻家らに住職の等身大像を発注。像に使われている毛髪は住職本人のもの。彫刻家らは丁寧に制作して、1年をかけて像を完成させた。
像は空輸ができなかったため、車に乗せてラオスを経由し、ナムファオ国境検問所(ラオス・ボーリカムサイ県)とカウチェオ国境検問所(北中部地方ハティン省)を通ってベトナムまで輸送した。
ナムファオ国境検問所を通過する際、ラオスの税関職員が「おや?パスポートが4冊しかないぞ。全部で5人だろう?車の中で経を読んでいるお坊様の分が足りない」と言って5人目のパスポートの提示を求めた。
クアンスー寺の関係者から説明を受けた税関職員らは、人間の僧侶だと思っていたのが実は等身大の像だったことに驚きつつ、出国を認めたという。
クアンスー寺は15世紀に建てられた仏教寺院で、ベトナム仏教協会の総本山となっている。トゥー元住職は1927年の生まれで、北部紅河デルタ地方フンイエン省の出身。12歳で出家して僧となり、革命運動に積極的に参加。仏教宗派の統一にも大きく貢献し、1981年に国内の仏教団体を統一させた。
また同氏は、第11期国会(2002~2007年任期)、第12期国会(2007~2011年任期)で国会議員を務め、ホー・チ・ミン勲章など高貴な賞を授与された。