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ハノイ市のベトドク(越独)友好病院は24日、心臓と腎臓の同時移植手術を成功させたと明らかにした。ベトナム国内の病院では初の成功例となる。同病院はこれまでに、1500件以上の臓器移植を実施しており、全国をリードしている。
移植手術を受けたのはT・T・Qさん(男性・37歳、南中部高原地方ザライ省在住、未婚)。Qさんは深刻な心臓病のほか、末期の慢性腎不全を患っており、心臓と腎臓の移植手術を受けないと生存は見込めない状況。この6年間は、週3回の血液透析を受けなければならず、ホーチミン市と北中部地方トゥアティエン・フエ省の病院を行き来して治療を続けてきた。
Qさんは2022年中旬、ベトドク病院で検査した結果、脳死ドナーから提供された腎臓と心臓の同時移植を行う必要があると診断された。2023年2月初旬、女性患者(30歳、ハノイ市在住)が重度の外傷性脳損傷により脳死となり、遺族が臓器提供に同意した。
同病院のチャン・ビン・ザン院長は、「女性患者の弟も深刻な心肺疾患を患っており、臓器移植の順番を待っていたが、ドナーが見つからず、2か月前に亡くなった。遺族は、命を救うための臓器提供の崇高な意味を深く理解している」と述べた。
女性患者は大きな事故に遭ったため、臓器の一部が損傷しており、医師は右の腎臓と心臓のみの摘出を決めた。組織適合性検査の結果、この両方がQさんへの移植に適合することが確認された。
移植手術は2月15日午前9時から午後7時までの10時間にわたって行われた。このうち、臓器摘出に3時間、心臓移植に5時間、腎臓移植に2時間を要した。移植から8日目の2月24日、Qさんに移植された心臓と腎臓の機能はほぼ正常に戻っているという。
Qさんは現在、自力で起き上がって食事をし、コミュニケーションを取ることができるまでに回復。今後数週間は、術後治療を続ける予定。
なお、ベトドク病院は2年前、肝臓と腎臓の同時移植手術に成功している。当時手術を受けた患者は現在も健康を保っている。また、第103軍医病院(ハノイ市)では、膵臓と腎臓の同時移植、フエ中央病院(トゥアティエン・フエ省)では、心臓と肺の同時移植の成功例がある。