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英語熟練度を測る英語検定「アイエルツ(IELTS)」をベトナム国内で運営するブリティッシュ・カウンシル(英国文化振興会)とIDPエデュケーション(IDP Education)が相次いで同試験の実施を一時的に見合わせている中、一部の学生らが海外に渡航して受験する動きが見られる。
この背景には、IELTSやAptisなどの英語検定で不正が横行していると多くのメディアが指摘したことを受け、教育訓練省が語学検定の実施に対する規制を強化したことがある。
ハノイ市に住むN・Mさんは、「海外の修士課程に進学するために、来年の1月上旬までにIELTSの成績証明書を提出しなければならない。もう期限が迫っているので、バンコクで受験するつもり」と語った。
受験のための渡航先としては、タイのほか、ラオスやカンボジア、シンガポールなどの周辺諸国が挙げられる。中でも、ブリティッシュ・カウンシルとIDPエデュケーションの施設が多く、毎週または毎月と短い期間で定期的に試験が行われているバンコクが特に人気を集めているようだ。
こうした中、一部の旅行会社は、海外旅行を兼ねたIELTS受験ツアーを企画。ツアーに参加した受験生らはテスト後、ストレス発散のため、渡航先を観光することができるという。
チャンアン・トラベル(Trang An Travel)の責任者は、「コンサート鑑賞やスポーツ観戦などを組み合わせた多くの海外ツアーを催行したことがある。このノウハウを活かし、海外受験ツアーの催行に向けて、タイの取引先などと交渉中だ」とコメントした。
タイへのパッケージツアー(往復の航空券、食事、観光を含む)は、4泊5日で600万~700万VND(約3万4000~3万9500円)が相場。今回の受験ツアーは、これに受験料を上乗せした金額となっている。
なお、労働傷病兵社会省によると、同省による今回の規制強化は、労働者の海外派遣に影響するものではなく、日本との経済連携協定(EPA)に基づくベトナム人看護師・介護福祉士候補者選定プログラムや、韓国への労働派遣を希望する人向けに実施される雇用許可(EPS)プログラムの一環として行われる語学検定試験は通常通り行われるという。