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1802年から1945年にかけて存在したベトナムの最後の王朝である阮(グエン)朝の子孫を代表するグエンフック族評議会は27日、フランス・パリのオークションハウス「ミロン(Millon)」に対し、阮朝に由来する国宝級の重要遺物2点の競売を中止するよう求める文書を送付したと明らかにした。
ミロンの発表によると、阮朝の金印と金椀が10月31日に競売にかけられる。このうち、金印は200万~300万EUR(約2億9200万~4億4000万円)で売却される見通し。
この金印は、阮朝第2代皇帝ミンマン(明命)帝(在位:1820~1841年)が在位中の1823年に鋳造されたもので、重さは10.8kg。
グエンフック族評議会は文書の中で、金印は阮朝の皇帝から皇帝へと受け継がれたものであり、最後の皇帝であるバオダイ(保大)帝(在位:1926~1945年)の私物ではないため、個人が譲渡する権利は持たないとして抗議し、金印がどのような経緯で競売に出されたかを調査していると記した。
金印はバオダイ帝が保管し、死後は最後の妻であるフランス人のモニーク・ボードー(Monique Baudot)さん(1946~2021年)が保管していたとされるが、彼女の死後、それを手にした家族が違法に売りさばいた可能性が高いとみられる。なお、バオダイ帝とボードーさんの間には子供がいなかった。