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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を背景に運航された帰国者など向けの特別便の認可を巡る汚職事件で、公安省傘下の治安捜査機関はこのほど、特別便を受け入れた省・市の人民委員会に対し、帰国者向けの隔離施設として使用されていたホテル・リゾートなどの選定に関する書類の提出を求めるなどして捜査範囲・対象を拡大している。
対象となる省・市の人民委員会は、ホテル・リゾートなどの審査や選定に関する書類だけでなく、隔離活動の監視・検査にあたる調査団など各プロセスに参加した幹部らのリストなども報告しなければならない。
外国人専門家らの入国の取り扱いについても捜査する。対象となる省・市の人民委員会は、外国人専門家などの入国許可を申請した全ての企業をリストアップし、申請書類の審査や許可の決定などに関連する書類を提出し、各プロセスに参加した幹部らのリストも報告しなければならない。
同事件では、最初の容疑者が1月下旬に逮捕されてからこれまでに、トー・アイン・ズン外務次官(男・58歳)や、ファム・ビン・ミン第一副首相(外交担当)補佐官のグエン・クアン・リン容疑者、外務省傘下領事局の要職のほか、政府官房傘下の国際関係局や保健省傘下の医療設備工事局、公安省傘下の出入国管理局の幹部、旅行会社など複数の会社の役員など、事件に関与した21人の容疑者が起訴され、捜査を受けている。逮捕者には前在大阪ベトナム総領事のグエン・ホン・ハー容疑者(男・58歳)も含まれる。
特別帰国便は、新型コロナ禍の影響で帰国するベトナム人のために国が特別に手配するものだが、関係者らは複数の公的機関の幹部らと結託し、不正利益を得ていた。この特別便に搭乗するには、通常より高額な運賃を支払うほか、煩雑な手続きが必要だった。