(C)vnexpress 写真の拡大. |
今年1月中旬、3歳の女児が腕をギプスで固定され、頭部に釘9本が埋まった状態でハノイ市タックタット郡総合病院に救急搬送された事件で、同市人民裁判所は13日、女児の母親の恋人であるグエン・チュン・フエン被告(男・30歳)に死刑判決を下した。
女児は2か月に及ぶ治療の甲斐もなく、3月中旬に死亡しており、被告は殺人罪と傷害罪に問われていた。民事上の損害賠償について、裁判所は被告に対し、遺族に4億7000万VND(約285万円)を支払うよう命じた。
虐待に遭っていたD・N・Aちゃんは、母親のN・T・Lさん(27歳)が前夫との間にもうけた子供3人の末っ子。一家は離婚前、タックタット郡カインナウ村(xa Canh Nau, huyen Thach That)にある父親の実家に住んでいたが、Lさんは2021年に夫と離婚し、末っ子のAちゃんだけを連れて恋人のフエン被告と同郡カンキエム村(xa Can Kiem)の貸し部屋で同棲を始めた。
Lさんと被告は大工仕事で生計を立てており、事件発生時にLさんは被告の子供を妊娠中だった。被告は2021年9月からAちゃんに対し、農薬やネジを飲み込ませたり、腕の骨を折ったりするなどの虐待を繰り返していた。Aちゃんは事件発生前の3か月で、鼻の怪我や骨折、ネジや農薬を飲み込んだことによる中毒で4回も入院していたが、その度に母親は娘が1人で遊んでいる間に起きた事故だと説明していた。
事件当日、Lさんの留守中に被告は、長さ1~2cmの釘9本をAちゃんの頭部に打ち込んだ後、Aちゃんを知人に預けて外出。殺害の理由について被告は、「連れ子の存在が自分の生活に影響を与えるため、養育の責任から逃れたかった」と身勝手な供述をしていた。
裁判官は被告について、非常に残忍且つ悪質で更生の余地は無く、社会から永久に排除する必要があるとして死刑判決を下した。母親のLさんについては、これまでに犯人蔵匿や殺人の共謀の容疑で起訴するのに十分な証拠が掴めていないが、社会を揺るがした非常に深刻な事件のため、犯行を犯した者が罪を逃れることのないよう、捜査を徹底するよう捜査機関に対し求めた。