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ホーチミン市を中心とする南部各地で、石油関連製品の供給不足により多くのガソリンスタンドが営業を一時停止している。ホーチミン市にはガソリンスタンドが550か所あるが、10日夕方の時点で在庫切れを理由に営業を一時停止したガソリンスタンドの数は全体の2割強にあたる121か所に達した。
市内各地のガソリンスタンドでは、ガソリンを買い求める市民が長蛇の列を作っている。なお、全国のガソリンスタンドの数は1万7000か所となっている。
ガソリンスタンドは条件付きで投資・経営が認められる業種で、営業を一時停止すればライセンスを取り下げられる可能性があることから、在庫不足でも営業を継続するため、車両1台に対する購入量の上限を設定しているところも多い。
■小売企業:小売価格の策定で十分なコストの算出を要請
小売企業によると、この背景には卸売企業から商品を入荷しにくい状況が続いていることがある。小売企業の訴えによると、現行規定では、卸売企業は管轄機関が定める小売価格を超えない価格帯で石油関連製品を販売しなければならないと規定されているにもかかわらず、卸売企業は石油関連製品のインボイスとは別に「輸送料」のインボイスを作成する形で、規定以上の価格で石油関連製品を小売企業に販売している。
小売企業は商工省と財政省に対し、市場メカニズムを尊重し、規定価格の策定においてコストを十分に算出し、卸売価格と小売価格との適切な格差を確保するよう要請している。
管轄当局は小売価格の算定を見直すと共に、ガソリンスタンドが石油関連製品を退蔵し、値上げを待つことのないよう検査を強化している。
■2022年7~9月の石油関連製品輸入が急減
税関総局によると、国際市場における石油関連製品の価格が大きく変動していることを背景に、2022年7~9月におけるガソリンの輸入量は前期比▲40%減、軽油(ディーゼル油)の輸入量は同▲35%減とそれぞれ急減した。卸売企業33社のうち、同期に石油関連製品を輸入したのは19社のみだったという。
一方、商工省が卸売企業の報告として明らかにしたところによると、十分な在庫が確保できているという。8日時点の主要卸売企業における石油関連製品の在庫量は以下の通り。
◇ペトロリメックス[PLX](Petrolimex):48万9000m3
◇PVオイル[OIL](PV Oil):23万m3
◇タインレー総公社[TLP](Thalexim):6万m3
◇ドンタップ石油貿易[PDT](Petimex):4万5000m3
◇軍隊石油化学会社(MIPEC):1万9000m3
◇サイゴンペトロ(Saigon Petro):1万1000m3
■財政相:卸売企業から小売企業への供給の円滑化が必要
ホー・ドゥック・フォク財政相は10日、地元メディアのインタビューに応じ、「石油関連製品の輸入を行う卸売企業は全国に30社以上あり、小売企業は約500社もある。これらの企業を管轄する商工省は管理を効率化し、中間費用を削減させ、卸売企業から小売企業への供給を円滑化する仕組みを構築する必要がある」と指摘した。
商工省は、卸売企業による石油関連製品販売事業における法律の遵守度合いの調査結果を審査する審議会を発足した。今後、審議会の審議結果を踏まえて対策を講じる。同省はまた12日に卸売企業のトップらを招集し、財政省とベトナム石油協会(VINPA)の代表者の立ち合いのもと、石油関連製品の確保について釘を打つ。