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ホーチミン市文化スポーツ観光局(現:文化スポーツ局)ポピュラー音楽センターにおける公的資産の違法交換事件の控訴審で、同市上級人民裁判所は7日、責任を果たさず甚大な被害をもたらした罪に問われている同市人民委員会元副主席(2011~2015年任期)のグエン・タイン・タイ被告(男・70歳)に禁固5年の判決を下した。一審判決を支持した形となる。
同事件の主犯格として特定され、詐欺・資産横領罪に問われているジエップバックズオン不動産(Diep Bach Duong)の元社長で、不動産業界の女帝ズオン・ティ・バック・ジエップ被告(女・74歳)、元文化スポーツ観光局長のグエン・タイン・ルム被告にも一審判決と同じく、それぞれ終身刑、禁固4年の判決が言い渡された。
一方、元資源環境局副局長のグエン・タイン・ニャン被告は1年6か月の減刑となり、禁固3年の判決となった。
2021年11月に開かれた一審裁判では、同事件に関与した被告10人に有罪判決が下された。起訴状によると、ジエップバックズオン不動産は3区カオタン(Cao Thang)通り57番地の不動産を、ポピュラー音楽センターは3区ハイバーチュン(Hai Ba Trung)通り185番地の不動産をそれぞれ所有していた。
ハイバーチュン通り185番地にある庁舎は老朽化が進んでいたが、建て直すための資金が不足していたため、ポピュラー音楽センターはジエップバックズオン不動産との間で、ハイバーチュン通り185番地の不動産とカオタン通り57番地の不動産を交換し、同社がカオタン通り57番地に同センターの新庁舎を建設することで合意し、タイ被告が2009年8月にこれを承認した。
しかし、カオタン通り57番地の不動産は、ジエップバックズオン不動産が2008年12月に銀行からゴールドを借り入れるため、担保に出していた。それにもかかわらず、タイ被告らは交換時にその取引の正当性を確認していなかったことから、国はハイバーチュン通り185番地の不動産を失い、1860億VND(約11億3000万円)の損失を被った。ハイバーチュン通り185番地の不動産は現在、他の会社が所有。一方、カオタン通り57番地の不動産はポピュラー音楽センターが所有している。
問題の不動産の処分方法について、ハイバーチュン通り185番地の不動産の取引は無効化され、現在の所有者はポピュラー音楽センターに不動産を返還しなければならず、カオタン通り57番地の不動産については同センターがジエップバックズオン不動産に返還することになっている。
なお、タイ被告はホーチミン市1区のドゥックバー(聖母マリア)教会を望むレズアン(Le Duan)通り8-12番地にある一等地の違法販売事件にも関与して公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し損失・浪費をもたらした罪に問われ、2021年に開かれた控訴審で禁固8年の判決を言い渡されている。