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1960年代から1970年代前半にかけて南ベトナム(当時)の映画界のスター女優だったタム・トゥイ・ハンさん(本名:グエン・キム・フン)が7日、ホーチミン市内の自宅で亡くなった。83歳だった。
ハンさんは1990年代以降、同業者や社会との接触を避け、ビンタイン区タインダー地区の自宅で家族とともに静かな生活を送っていた。
ハンさんは1939年12月25日生まれ。16歳の時に家族に隠れてオーディションに応募し優勝。翌年、グエン・タイン・チャウ監督の映画「ビンズオンの美女(Nguoi dep Binh Duong)」で初めての主演を果たし、一躍スター女優になった。
当時のマスコミは、大きな丸い目やすっきりとした鼻筋、ハート形の唇、スリムなウエストを備えた彼女の稀にみる美しさを絶賛。映画の題名である「ビンズオンの美女」が彼女のニックネームになった。
1960年代には自ら劇団を立ち上げて演出や脚本も手がけ、演劇分野での評判を確立した。1970年代前半は俳優業の絶頂期で、1972~1974年にかけて、台湾や香港などで開かれた映画祭でいくつかの賞を受賞した。
ハンさんと数十年来の友人で、人民アーティストの称号を持つ女優キム・クオンさんによると、ハンさんは引退後も演劇に関心を持っていたという。