(C) tuoitre |
ホーチミン市人民委員会傘下のサイゴン農業総公社(サグリ=Sagri)が公有地を違法に売りさばいた事件の控訴審で、同市上級人民裁判所は15日、一部の被告の量刑について減刑を決めた。
この事件は、サグリの元役員らが2018年に、同社の管理する公有地(ホーチミン市直轄トゥードゥック市フオックロンB街区、面積3万6000m2)を競売を行わずに違法に売り出したほか、サグリの資金を個人の旅行などで不正に使用し、国に多額の損失をもたらしたもの。中でも、この公有地の違法販売は国に3480億VND(約20億円)の損失をもたらした。
同市人民裁判所はこれに先立つ2021年12月に開かれた一審裁判で、同事件の被告19人に有罪判決を下した。このうち、元政治局員・ホーチミン市共産党委員会元書記・同市人民委員会元主席レ・タイン・ハイ氏の実の弟として知られるサグリの元社長レ・タン・フン被告(男・59歳)が主犯格として特定され、公的資産横領罪で14年、公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し損失・浪費をもたらした罪で11年の計25年の禁固刑を言い渡された。
また、ホーチミン市人民委員会元副主席のチャン・ビン・トゥエン被告(男・57歳)が公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し損失・浪費をもたらした罪に問われ、禁固6年の判決を受けた。公有地の違法販売を認識していたにもかかわらず、トゥエン被告はフン被告がハイ氏の実の弟であることに配慮し、販売を承認した。
同市上級人民裁判所は今回の裁判で、トゥエン被告について、◇本人が深く反省していること、◇家族に革命功労者がいること、◇在任中に多くの賞状を授与され、妻も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に大きく貢献したことなど、酌量すべき事情があるとして、同被告に対し、1年の減刑を認め、禁固5年の判決を下した。
また、フン被告も1年の減刑を受け、禁固24年の判決となった。
さらに、公的資産横領罪に問われていたピース・インターナショナル・トラベル(Peace International Travel)元社長のドアン・クアン・ホイ被告は2年の減刑を受け、禁固6年の判決となった。
控訴した残る3人について裁判所は一審判決を支持する判決を下した。なお、一審裁判の判決が下された後の2022年1月1日に死亡したサグリ元副社長のホー・バン・ゴン被告については、上級裁判所は刑事責任追及の停止を決定した。