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地場系不動産開発大手タンホアンミン(Tan Hoang Minh)の傘下企業3社が情報を隠匿・詐称し、私募社債発行で投資家から多額の資金を違法に調達した事件に関連し、タイホールディングス[THD](Thaiholdings)取締役会は17日、公安省傘下の密輸経済汚職犯罪捜査警察局(C03)の要求に応じ、THD子会社のタイグループ(Thai Group)がタンホアンミンから受け取った不動産案件買収関連の取引代金を同社に払い戻すことを決定した。
タイグループがタンホアンミンから受け取った取引代金は、タンホアンミンが問題の私募社債発行で投資家から違法に調達した資金だったことが確認されたため、C03はTHDに公文書第1428号/CV-CSKT-P10を送付し、被害是正を求めた。
タイグループは2021年、ハノイ市の一等地にある不動産開発用地「11A Cat Linh」(面積2505m2)を保有するビンミングループ(Binh Minh Group)への出資持分をタンホアンミンに譲渡し、取引代金8400億VND(約47億円)を受け取った。
C03の要求に応じ、タイグループはタンホアンミンに取引代金を払い戻し、ビンミングループ株を取り戻すことになっている。
この取引の売却益は2021年業績に計上されている。同年の業績(監査済み)は、売上高が前年比4.5倍の8兆2425億VND(約460億円)、税引後利益が同+5.8%増の1兆1565億VND(約65億円)、1株あたり利益(EPS)が2831VND(約16円)となっているが、譲渡取引の取り消しにより、THDは売却益を削除する形で2021年業績を作成し直し、会計監査を再度依頼しなければならない。
なお、修正後の税引後利益は4240億VND(約24億円)になると試算される。