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4月10日(旧暦3月10日)の「フン王の命日」を前に、南部メコンデルタ地方カントー市ビントゥイ区(quan Binh Thuy)スポーツ文化センター内で6日夜、歴代のフン(雄)王を祭るフン王寺院の落成式が行われた。式典には、グエン・スアン・フック国家主席が出席し、挨拶した。
フン王寺院は4haの用地に建設され、投資総額は1300億VND(約7億円)。30か月の工期を経て完成した。
寺院は本堂、事務所、サービス施設、儀式用の正門、石碑の施設、緑地、湖などから成る。
このうち、本堂は高さ19.5m、面積約1300m2で、ドンソン文化(紀元前4世紀頃~紀元後1世紀頃に紅河流域を中心に発展した青銅器文化)のゴックルー銅鼓をイメージし、周囲を囲む18の弓形のオブジェが18代のフン王を表現したデザインとなっている。
フック国家主席は落成式で、同寺院はベトナム全国民の団結を象徴し、南部メコンデルタ地方の人々のフン王に対する宗教的ニーズに応えるだけでなく、同地方の観光促進にもつながるとして大きな期待を寄せた。
フン王はベトナム史上初の国家とされるバンラン(文郎=Van Lang)国の18代にわたる歴代王の総称。フン王の命日は2007年からベトナムの祝日となっており、全国各地でフン王へ線香を手向ける儀式や銅鼓の演奏、獅子舞などが行われる。
なお、ベトナムのフン王信仰は2012年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されている。
フン王については、ベトジョーライフ(VIETJO LIFE)の「フン王(フンヴオン)命日~ベトナムの旧暦3月10日~」を参照。