(C) kenh14, 2015年のアン死刑囚 写真の拡大. |
ホーチミン市10区にあるチーホア(Chi Hoa)刑務所から新型コロナウイルスに感染した死刑囚が13日に脱獄した事件で、同市警察は16日午前1時ごろに本人を逮捕した。
脱獄したのは、殺人罪などで有罪判決が下され、チーホア刑務所で死刑の執行を待っていたグエン・キム・アン死刑囚(男・26歳)。
アン死刑囚は脱獄後、徒歩で市内を徘徊し、ホーチミン市東部の市直轄トゥードゥック市に移動した。15日午後8時ごろ、ボーバンガン(Vo Van Ngan)通りで物乞いの隣に座っていると、グラブ(Grab)運転手の男性が物乞いにお金を渡したため、その運転手にビンタイン区のミエンドン(東部)バスターミナルまで乗せるよう頼んだ。
グラブでの移動中は大雨が降っており、アン死刑囚が「泊まる場所が見つからない」と告げると、運転手は同情し、アン死刑囚をトゥードゥック市ヒエップビンフオック街区にある自分の部屋まで連れて行き、食事も提供した。
アン死刑囚は16日午前0時ごろ、「友人が迎えに来るから」と言って運転手と別れ、午前1時ごろにヒエップビンフオック街区の国道1号線に到着したところで警察に発見・逮捕された。アン死刑囚は逮捕時も抵抗せず、チーホア刑務所に移送された。
この死刑囚は2014年、金品を奪う目的でクラスメートの男性を睡眠薬で眠らせて大きな袋に詰め、サイゴン川に架かるフーミー(Phu My)橋から生きたままの状態で川に投げ捨て殺害した事件で、2015年に死刑を言い渡された。
今回の脱獄により、アン死刑囚はさらに脱獄容疑にも問われ、処分を受けることになる。
なお、アン死刑囚を世話したグラブ運転手の男性と男性の2人の子供は新型コロナウイルス検査を受けたが、いずれも陰性の結果が出ている。3人は引き続き感染者の接触者として規定に従い隔離措置を受けている。運転手の男性はアン死刑囚が指名手配されている人物だということを知らなかったという。