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南部メコンデルタ地方キエンザン省人民委員会のラム・ミン・タイン主席は、フーコック市(島)の島民全員に新型コロナウイルスワクチンを接種することを政府に提案すると明らかにした。
ベトナム共産党の最高指導機関である政治局はこれに先立ち、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を制御しつつ経済成長を実現することを目標に掲げた。この一環として、海外からの観光客受け入れ再開に向け、フーコック島をはじめ、新型コロナを効果的に制御できる観光地で優先してワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)を試験導入することを指示。
これを受けたキエンザン省は、海外からフーコック島への観光客受け入れを再開する上で、島民へのワクチン接種が重要だとし、政府に対しワクチン調達においてフーコック島を優先するよう要請した。
省は、島民17万人への接種を行うため、地方予算から資金を拠出するほか、スポンサーからも寄付金を募り、ワクチンを購入する計画。政府の同意を得て順調に接種が進み、島民が集団免疫を獲得すれば、9~10月をめどに海外からの観光客受け入れが再開できる見通し。
なお、キエンザン省が2020年に受け入れた観光客数は前年比▲40.7%減の520万人へと大幅に減少。このうち、海外からの観光客数は同▲74.1%減の18万5000人に急減した。観光収入は同▲57.7%減の7兆8670億VND(約380億円)に落ち込んだ。
ベトナムはこれまでに海外から新型コロナウイルスワクチン(主にアストラゼネカ=AstraZeneca製)約400万回分を受領したが、海外からのワクチン納入が遅れていることもあり、ワクチン接種率は1%程度という低い水準に留まっている。