ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

SNSのおかげで行方不明の夫と13年ぶりに再会

2021/05/17 13:57 JST配信
(C) vnexpress
(C) vnexpress 写真の拡大.

 動画投稿のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「ティックトック(TikTok)」に投稿された動画がきっかけとなり、13年前に行方不明になった精神病患者の男性が家族と再会を果たした。

 動画には、みすぼらしい服装で、ぼさぼさ髪の男性が物乞いをしている様子が映し出されていた。動画を撮影・投稿したのは、東北部地方トゥエンクアン省ソンズオン郡カップティエン村(xa Cap Tien, huyen Son Duong)在住のグエン・ティ・アイン・トゥエットさん(女性)。

 物乞いの男性はこの11年間、数週間に1回のペースでトゥエットさん宅を訪れていた。精神病を患っているようだが、乱暴を働かず大人しい男性に同情を覚えたトゥエットさんは男性が来る度に食べ物をあげていた。トゥエットさんは4月中旬、「もしかしたら家族の目に留まるかも」と思い、物乞いの男性を撮影してインターネットに投稿。

 それから約1か月後、トゥエットさん宅から約200km離れた東北部地方フート省タインソン郡イエンラン村(xa Yen Lang, huyen Thanh Son)に住むディン・ティ・クオンさん(女性)がこの動画を発見。映っていたのは、13年前に行方が分からなくなった彼女の夫だった。

 「手で顔を掻く癖。間違いなく夫だ」。そう確信した彼女は、その日のうちにトゥエットさんに連絡を入れ、夫のディン・バン・フーさんを探す手助けを依頼した。頻繁に村に出没するフーさんだったが、なかなかトゥエットさん宅を訪ねてこなかったため、トゥエットさんは一家総出でフーさんを捜索して、ようやく保護した。

 男性を保護したトゥエットさんから「胸に仏様のタトゥーがある」と連絡が入ると、クオンさんは家族と自治体に連絡した後、すぐにソンズオン村を訪れて夫と再会した。フーさんは依然として精神病の症状が見られたが、妻と弟を認識していた。

 クオンさんによると、夫婦は子供2人をもうけており、長男は21歳、長女は18歳になる。フーさんは長女が生後7か月の時に精神病を発症し、家の物を破壊したり、子供に危険な行為を働くようになった。そのため、一家は2008年に地元の社会保護センターにフーさんを預けていたが、数か月後に脱走して、それっきり行方不明になっていたという。
 
 フーさんは13年ぶりに自宅に戻って、大きくなった長女と顔を合わせると、「君の親は誰?今何歳ですか?」と尋ねた。まだ覚えていることも多いが、忘れてしまったことも多い。再び親子の絆を取り戻すべく、なんとか父親に心を開いてもらおうと、子供たちも頑張っている。

 畑仕事をしながら女手1人で子供2人を育てたクオンさん。その間も夫を探し続けて、13年という長い月日が経ったが、決して諦めることはなかった。「あらゆる手段を試し、色々な場所に行って探し回っても見つからなかったのに、ほんの数十秒の動画のおかげで夫と再会できた。夫が生きていた。それだけで嬉しい」と喜びを語った。

[VnExpress 19:09 12/5/2021 U].  © Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
「小さな手」でペンを持ち文字を書く、両手のない女子高生 (10:10)

 南部メコンデルタ地方カマウ省にあるウーミン高校3年生のドー・グエン・ゴック・マイさん(女性)は、生まれつき両手を欠損している。しかし、自らの「小さな手」でペンを持ち、美しく文字を書く動画をソーシャル...

駐在員の世界生活環境ランキング、ホーチミン163位・ハノイ168位 (21日)

 米国の組織・人事コンサルティング会社マーサー(Mercer)が発表した「2024年世界生活環境調査(Quality of Living Survey)」の「生活の質の高い都市ランキング」によると、ベトナムの2大都市は、対象となった世界...

ハノイ~ホーチミン線の提供座席数、3年連続で世界4位 (21日)

 世界の航空関連情報を提供する英国のオフィシャル・エアライン・ガイド(Official Airline Guide=OAG)が発表した世界の人気路線ランキング「Busiest Route」2024年版によると、世界の国内線ランキングでハノイ...

年末年始の日本人旅行者に人気の海外旅行先、ベトナムが4位 (21日)

 世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」はこのほど、2024~2025年の年末年始における日本の旅行者の動向を探るべく、2024年12月31日(大晦日)チェックインで検索された宿泊施設のデ...

ホーチミン:メトロ1号線、開通初日12月22日は午前10時から運行 (20日)

 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)管理委員会(MAUR)は、12月22日に商業運転を開始する同市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)について、運行開始時間が午前10時になると発表した。  メトロ1...

ビナフォン、20日から5Gサービスの商業運用を開始 (20日)

 ベトナム郵便通信グループ(Vietnam Posts and Telecommunications Group=VNPT)傘下のビナフォン(Vinaphone)は20日、第5世代移動通信システム(5G)サービスの提供を正式に開始した。  ビナフォンは正式提供...

週の平均労働時間が長い国、ベトナムは45.3時間で世界20位 (20日)

 国際労働機関(ILO)の統計によると、世界の労働者の1週間当たりの平均労働時間は43.9時間となっているが、この労働時間は、文化水準や経済構造、労働政策の違いにより、各国の間で大きな差があるという。  I...

フランスの海運大手CMA CGM、ベトナムで電動バージ運航へ (20日)

 フランスの海運大手CMA CGMはこのほど、東南部地方ビンズオン省と同バリア・ブンタウ省のジェマリンク(Gemalink)深水港を結ぶ海運航路に電気運搬バージを導入すると発表した。2026年の運航開始を予定している。...

三菱マテ、独タングステンメーカーの全株式取得完了 マサン系から (20日)

 三菱マテリアルグループは、2025年3月末までに完了する予定としていた、タングステン事業を手掛けるドイツのH.C.Starck Holding (Germany) GmbHの全株式の取得について、17日に手続きを完了した。  同社は...

決済アプリ大手「MoMo」、電子身分証明アプリで公安省と提携 (20日)

 公安省傘下の国民身分証明・人口データ研究応用センター(RAR)は、ベトナムのテクノロジーユニコーン企業の1社である決済アプリ大手「モモ(MoMo)」との間で、公安省が展開する電子身分証明アプリ「VNeID」の一連...

少年同士の喧嘩で相手を死亡させた16歳被告に4年9か月の禁固刑 (20日)

 ハノイ市ロンビエン区人民裁判所は17日、傷害罪に問われていたチュオン・バン・ミン被告(男・16歳)の一審判決を下して、4年9か月の禁固刑を言い渡した。  裁判所は、この事件はスポーツ中の些細なトラブル...

ベトジェットエア、グルーブ予約で運賃10%割引 (20日)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は、12月30日(月)まで、3~5人のグルーブ予約を対象に、ベトナム国内線と国際線の航空券のエコクラス運賃が10%割引(税

ベトナム・ラオス国防相会談、軍法・国防協力で覚書 (20日)

 ファン・バン・ザン国防相は18日、ベトナムを公式訪問中のラオスのカムリエン・ウタカイソーン国防相と会談した。  両国防相は会談で、両国間の国防協力が近年大きな成果をあげ、両国関係の重要な柱の1つと...

23年の世界ビール消費量、ベトナムは世界7位 前年比▲13.8%減 (20日)

 キリンホールディングス株式会社(東京都中野区)は、2023年における世界主要国のビール消費量に関するレポートを発表した。ベトナムは前年比▲13.8%減の455万klで、前年と同じく7位だった。  2023年の世界の...

ベトテル参画の光海底ケーブル「ADC」が正式運用開始 (20日)

 日本とベトナムなどのアジアを接続する大容量光海底ケーブル「アジア・ダイレクト・ケーブル(Asia Direct Cable=ADC)」は、試運転を経て19日に正式に運用を開始した。  ADCは、◇日本、◇中国、◇香港、◇フィ...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved