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携帯電話小売チェーン「ニャットクオン・モバイル(Nhat Cuong Mobile)」を運営するニャットクオン貿易・技術サービス(Nhat Cuong Trading & Technical Services)の密輸密売事件をめぐり、ハノイ市人民裁判所は10日、被告14人に有罪判決を下した。
捜査結果によると、ニャットクオン貿易・技術サービスは2014年1月から2019年5月にかけて、米国やシンガポール、香港、アラブ首長国連邦(UAE)などのサプライヤーから携帯電話やタブレットなど25万5000台以上を2兆9000億VND(約137億円)で購入し、ベトナム国内に密輸。密輸品は国内で売りさばき、2210億VND(約10億5000万円)の利益を得て、これにより国に300億VND(約1億4200万円)の税収の損失をもたらした。
被告14人は、密輸密売罪、または会計に関する規定に違反し甚大な被害をもたらした罪、もしくはその両方に問われていた。このうち、元最高財務責任者(CFO)グエン・バオ・ゴック被告(女)は密輸密売罪で10年、会計に関する規定に違反し甚大な被害をもたらした罪で4年の計14年の禁固刑を言い渡された。残る13人は禁固3年6か月~13年の判決だった。
なお、捜査中に重病で死亡した被告1人については、捜査停止となり、判決も下されなかった。
主犯格として特定され2019年5月から国際指名手配されている同社社長ブイ・クアン・フイ被告(男)など現在も逃亡中の被告らについて、裁判所は早急に逮捕するよう警察に求めた。
フイ被告が逃亡中のため、裁判所は連帯責任として被告14人に対し、公庫にそれぞれ10億~690億VND(約470万~3億3000万円)を納付するよう命じた。携帯電話1000台以上など同社から押収した証拠物件も没収して公的資産とする。
フイ被告らと結託し、サプライヤーへの代金と輸送業社への運賃として、計2兆5200億VND(約119億円)の違法海外送金を手配していたハノイ市の宝飾店「ロックファット(Loc Phat)」と「トゥアンファット(Thuan Phat)」の2店舗について裁判所は、関与した者が罪を逃れることのないよう警察に対し捜査を求めた。
事件に関連し、ハノイ市共産党委員会副書記 兼 同市人民委員会主席を務めていたグエン・ドゥック・チュン被告(男・54歳)の側近らが複数の刑事事件に関連する捜査書類を漏洩・略奪・売買した事件で、チュン被告は2020年12月に開かれた非公開裁判で禁固5年の判決を言い渡された。
ニャットクオン貿易・技術サービスを含めた一連の汚職事件の捜査が行われている間、チュン被告は捜査の担当機関に所属していた元警察官に捜査書類を盗み出させていたことがわかっている。