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ホーチミン市警察は、同市10区ホアフン(Hoa Hung)通りにあるチーホア(Chi Hoa)刑務所をクチ郡ファムバンコイ村(xa Pham Van Coi)のT30刑務所に移転すべく作業を進めている。同市警察署長のレ・ホン・ナム少将が、公安次官のレ・クオック・フン少将との会合で明らかにした。移転は今年6月までに完了する見通し。
ホーチミン市警察によると、チーホア刑務所は老朽化が進み、囚人の安全性が確保されなくなっており、さらに過密状態にあることから、20年近く前より移転が計画されていたという。
現在のところ、チーホア刑務所の跡地の使用計画は発表されていない。ただし、2012年にホーチミン市人民委員会が公布した2020年までの10区マスタープラン調整計画によれば、跡地の2.8haを緑地とし、残りの土地を教育施設と再定住区として利用することになっている。
チーホア刑務所は八角形の構造が特徴で、面積7ha、3階建て、8棟の計238室を備える。かつてはベトナム共和国政府の反フランス植民地主義者を収容し、今も現役の刑務所として多くの囚人を収容している。「出口のない刑務所」として知られるが、過去には脱獄に成功した囚人もいる。
フランス植民地時代の1943年に、現在の1区リートゥチョン(Ly Tu Trong)通りとナムキーコイギア(Nam Ky Khoi Nghia)通りの角にあったサイゴン中央刑務所(越名:Kham Lon Sai Gon、仏名:Maison Centrale de Saigon)に代わる刑務所として、フランス人によって建設された。設計には日本人建築士も関わったとされる。なお、サイゴン中央刑務所があった場所は現在、ホーチミン市総合科学図書館となっている。