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グエン・マイン・フン情報通信相は11日、アナログ電波の送信を2020年12月28日午前0時に終了し、地上テレビデジタル化を完了したと発表した。これにより、第5世代移動通信システム(5G)サービス向けの「プラチナバンド」が開放されることになるとの見解を示した。
携帯キャリア各社は現在、5G商用サービスの試験を2600MHzの周波数帯を利用して実施中だが、カバレッジ(電波が届く範囲)が狭いことが最大の弱点になっている。700MHz帯域であれば弱点の改善が期待できる。アナログ放送の地デジ化はこの周波数帯域の開放を目的としたものだ。
情報通信省によると、700MHz帯は2600MHz帯に比べカバレッジが3倍広いという。基地局の数では9倍の差となる。全国に5G基地局を展開するのに、2600MHz帯では1800億USD(約18兆7000億円)の投資が必要なところ、700MHz帯なら20億USD(約2080億円)で済むことになる。フン情報通信相は「もし700MHz帯を使えなければ、5Gの全国展開はあり得ない」と話した。
2011年に地上テレビデジタル化計画に着手した当初は、90%の世帯がテレビを所有し、そのうちデジタルテレビは1割に留まっていたが、20年までに1600万世帯がデジタル放送の視聴が可能になり、320万世帯は無料の衛星テレビを利用している。