(C) zingnews |
10月から11月にかけて台風や熱帯低気圧の影響で度重なる自然災害に見舞われた北中部地方クアンチ省で、危険性の高い類鼻疽(るいびそ、グラム陰性桿菌である類鼻疽菌感染を原因とする人獣共通感染症)が流行し、クアンチ省総合病院では直近1か月余りの間に24人もの患者を受け入れている。病院が24日に明らかにした。
24人のうち4人は治療の甲斐なく死亡した。最初の死亡例は同省の沖合で沈没した貨物船「ベトシップ1号(Vietship 01)」の乗組員N・V・Bさん(男性・51歳、北部紅河デルタ地方ハイフォン市在住)で、残る3人はクアンチ省の住民(47歳・62歳・75歳)だった。
同病院では例年、年間約10人の類鼻疽患者を受け入れているが、死亡率は10%程度だったという。
同省を含む中部で類鼻疽が流行している背景には、10月以降の豪雨により各地で洪水が発生し、生活環境や畑仕事などの作業環境が悪化したことがある。
感染経路には、類鼻疽菌に汚染された土壌や水に直接接触したことによる皮膚損傷部からの感染、汚染水の経口感染などがあるため、作業時には防護具を使用するなどして事前に対策を講じる必要がある。