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2018年末に発覚したベトナム投資開発銀行[BID](BIDV)における不正融資事件で、ハノイ市人民裁判所は2日、被告12人に有罪判決を下した。
被告らは、「銀行活動に関する規定および銀行業務に関連するその他の活動に関する規定に違反した罪」、「信頼を悪用し資産を横領した罪」に問われていた。
この事件は、BIDVに勤務していた被告らが2011年から2016年にかけて、同行の会長だったチャン・バック・ハー被告の指導のもと、適切な審査を行うことなく、一族の裏会社であるビンハー飼育(Binh Ha)とチュンズン(Trung Dung)に対し多額の不正融資を行い、BIDVに1兆6640億VND(約76億円)の被害をもたらしたというもの。事実、同2社はデフォルト(債務不履行)となっている。
BIDVの元幹部で事件に関与し、「銀行活動に関する規定および銀行業務に関連するその他の活動に関する規定に違反した罪」に問われていた被告8人は、執行猶予付き禁固3年~禁固8年の判決を言い渡された。中でも、元副頭取のチャン・ルック・ラン被告(男)は禁固8年、同じく元副頭取のドアン・アイン・サン被告(男)は禁固6年6か月の判決だった。
一方、「信頼を悪用し資産を横領した罪」に問われていた同2社の元役員3人とその家族1人の計4人の被告は禁固3年~18年の判決だった。
民事責任について、裁判所はビンハー飼育に対しBIDVへの1兆2310億VND(約56億円)の支払い、チュンズンに対しBIDVへの6010億VND(約27億4000万円)の支払いを命じたほか、同2社の元役員3人とその家族1人の計4人に対してもBIDVから横領した資金を支払うよう命じた。
この事件で、ハー被告は2018年12月に逮捕されたが、拘留中の2019年7月に急死した。死因は未だ明らかにされていない。ハー被告の息子であるチャン・ズイ・トゥン被告は国際指名手配されている。裁判所は、ハー被告とトゥン被告の2人の財産を没収する判決を下した。