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ベトナムでは、外国人の相次ぐ不法入国と約3か月ぶりの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の市中感染がほぼ同時に発生したことで、不法入国と市中感染との関連性が懸念されている。こうした中、グエン・スアン・フック首相は2日に開かれた政府会合で、国防省、公安省、保健省および地方自治体に対し、国境警備を強化するよう指示した。
首相はその一環として、不法入国・不法滞在、特にそれを手配・支援する行為について、全てを刑事事件として立件し処分するよう指導した。
このところ、外国人の不法入国事件が相次いで発生している。不法入国者は山岳地帯の小道や海路、河川などを通ってベトナムに入り、不法入国手配ルートの支援を受けて国内で移動していたものとみられる。不法入国の目的として「新型コロナの脅威からの逃避」や「ベトナムでの就職」などが挙げられる。
ホーチミン市当局は7月29日夕方から翌30日昼ごろにかけて、同市ビンタイン区、タンフー区、タンビン区の3か所で不法入国した中国人計30人を発見し、集中隔離施設に身柄を移した。7月31日午前にはビンタン区でさらに不法入国の中国人28人を捕まえており、わずか3日間で58人もの中国人不法入国者の身柄が確保されたことになる。
なお、現行規定では、不法入国・不法滞在および不法入国・不法滞在の手配・支援の行為に対し、度合いによって罰金、強制送還、禁固刑が科される。特に不法入国後に他人に危険な感染症をうつした場合は最長12年の禁固刑を科される可能性がある。