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労働傷病兵社会省がこのほど発表したベトナムにおける女性に対する暴力についての調査の2019年版で、過去に性的暴力に遭ったことがある女性の割合が13.3%と2010年の9.9%から増加していることが明らかになった。
調査は同省と統計総局が連携し、15~64歳の女性およそ6000人に実施した。調査結果によると、女性に対する暴力はほとんどが夫から妻に対して起きていることが分かっている。
女性の3人に2人に相当する63%が、調査実施時から直近12か月間に身体的、精神的、経済的、日常生活における行動の拘束のうち1つ以上の形態の暴力を受けている。また、暴力のおよそ32%の加害者は夫となっている。性的暴力については13.3%の女性が過去に被害に遭ったことがあると答え、2010年の9.9%から+3.4%増という結果になった。被害は18~24歳に集中している。
増加の要因は、社会的に女性が性についてオープンに語るようになっている社会的傾向も反映しているとされており、より詳細な被害の増加傾向を分析するにはさらなる研究が求められる。
また4.4%が15歳未満で性的暴力に遭ったと回答しており、加害者の大半は見知らぬ人・友人・知人、知り合ったばかりの人、同じ職場の人などの親族以外の人となっている。
労働傷病兵社会省グエン・ティ・ハー次官は調査結果について、10年前に実施された初回に比べて特に若い世代の女性たちが暴力に立ち向かう強さが見受けられるようになったと評価している。また、学歴が高い女性ほど被害に遭う割合が低くなっていることからも、学歴は女性が自信や強さを持ち自立した生活をする上で非常に重要だと指摘する。
しかし、依然としてベトナムでは一般に暴力行為は社会の中で隠される状況が続いており、女性や母親が暴力を受けている家庭の子供は暴力に遭うリスクが高く、今後の大きな課題となっている。