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中国・湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス(nCoV)の感染拡大によりベトナムでも医療用マスクの需要が急増する中、商工省傘下の市場管理当局は価格の安定化に向け、薬局の検査を強化している。
当局は1月31日から2月2日までのわずか3日間に、医療用マスクを不当に高い値段で販売していた薬局1221か所を摘発し、医療用マスク31万8616枚を押収した。
こうした中、ブー・ドゥック・ダム副首相は1日、医療用マスクを通常価格よりも高値で販売した薬局について、調査などの通常の手続きを経ずに事業ライセンスを即時回収すると発表した。
中国への医療用マスクの輸出も禁止されている。密輸などで摘発・押収された証拠物件の医療用マスクは、国民のために使用される見通しだ。
当局の厳しい措置を受け、薬局での不当な価格つり上げはなくなったものの、供給不足のため、購入個数を1人につき1~2箱に制限しているところが多い。
保健省によると、医療用マスクメーカーは全国に38社ある。このうち大量生産を可能としている企業の数は11社で、日産能力は124万5000枚となっている。
なお、全国の医療用マスクの月間需要量は100tで、1億5000万枚に相当する。企業各社はフル稼働で対応しているが、医療用マスク生産原料の主な輸入元である中国が輸出を制限しているため、国内では原料不足に陥っているという。
医療用マスクの主な原料である不織布と抗菌フィルターについて、不織布は国産で需要に十分対応できるが、抗菌フィルターは70%を中国から、30%をインドやマレーシア、インドネシア、台湾、エジプト、韓国、日本などから輸入している状況だ。