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在外ベトナム人が率いる在外反政府組織「ベトナム更新革命党(ベトタン=Viet Tan=越新)」の構成員である男3人の裁判で、ホーチミン市人民裁判所は11日、被告らに有罪判決を下した。
チャウ・バン・カム被告(男・70歳、ベトナム系オーストラリア人)、グエン・バン・ビエン被告(男・48歳、南中部地方クアンナム省出身・12区在住)、チャン・バン・クエン被告(男・20歳、北中部地方ハティン省出身・東南部地方ビンズオン省在住)の3人はいずれも刑事法第113条に触れたとされ、ベトナム人民政府に対するテロ罪に問われていた。
このうち、カム被告には禁固12年の判決が言い渡され、服役後にオーストラリアに強制送還される。ビエン被告は禁固11年・保護観察5年、クエン被告は禁固10年・保護観察5年の判決が下された。
起訴状によると、ベトタンの党首であるドー・ホアン・ディエム被告(男・56歳、ベトナム系米国人)をテロの主犯格として特定。ベトタンの狙いはベトナム共産党による指導を廃止して国家を転覆させること。
2010年に入党したカム被告は、党首であるディエム被告の指導のもと、2019年1月にカンボジアを経由して偽造身分証明書でベトナムに入国。ホーチミン市で配車アプリ「グラブ(Grab)」の運転手をしていたビエン被告に入党を勧誘した。ディエム被告の説得に応じて2018年9月に入党したクエン被告とも連絡を取り合っていた。
クエン被告はカメラの設置作業員として勤務。被告らは監視カメラが設置されている路線や、カンボジアからベトナムに密入国するための陸路ルートを調査してディエム被告に報告していた。
同事件に関連して、被告らに偽造身分証明書などを提供していた別の被告3人は、機関・組織の印鑑・書類偽造罪に問われて、禁錮3年~4年半の判決を言い渡された。
なお、公安省は2016年10月から、ベトタンをテロ組織として扱っており、同組織への参加、広報、勧誘、扇動、融資のほか、同組織から融資を受けたり、同組織が主導する活動に参加したりするなどのあらゆる行為を「テロ支援」として厳格に処分する方針を示している。