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オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)ホーチミン支店の幹部が客の預金を横領した事件で、同市人民裁判所は7日、同行の元幹部とその従姉である被告2人にそれぞれ終身刑を下した。
終身刑を下されたのは、同支店ナムサイゴン出張所(7区)カスタマーサービス部長を務めていたグエン・ファム・ザー・トー被告(男・30歳、8区在住)と、その従兄の妻グエン・トゥオン・ビー被告(女・30歳、タンフー区=quan Tan Phu在住)の2人で、いずれも詐欺・資産横領罪に問われていた。
起訴状によると、トー被告は2016年から、預金客の署名を偽造してインターネットバンキング口座を秘密裏に開設し、預金を自身と家族の口座に振り込んで横領したとされる。発覚するまでに横領した金額は913億VND(約4億4000万円)に上ったという。
横領した金は住宅の購入や、共犯のビー被告が社長を務めていた農産物販売会社の運用資金に充てていた。しかし事業は失敗し、会社が債務不履行に陥ったため、借金が返済できなくなった。
同事件では預金客に一切の非がないため、内部監査を怠った同行が法人としての責任を負い、客への賠償する必要がある。問題の資金は、被告らが同行から横領したものであり、被告らが同行に賠償する義務を負う。
なお、被告らがこれまでに払い戻した金額は横領した金のごく一部のみ。裁判所はこの点も考慮して、今回厳しい判決を言い渡した。