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来る旧暦8月15日(2019年は新暦の9月13日)は、ベトナムの「中秋節(Tet trung thu)」という大事な年中行事だ。家族で月餅を食べたり、満月の下で子供たちが踊ったり、お月見をしたりして楽しい一時を過ごす。一部の地域では、獅子舞やドラゴンダンスなども行われる。そんな旧正月(テト)に次ぐ重要な行事を前に人々が心がソワソワさせている中、少し残念なニュースが飛び込んできた。
ハノイ市ホアンキエム区のハンマー通り(duong Hang Ma)やハンルオック通り(duong Hang Luoc)には、提灯をはじめとする中秋グッズを扱う商店が軒を連ねており、中秋節が目前に迫る中、旧市街はいつもに増して賑わいを見せている。
多くの店は、古くから市民に愛されてきた老舗店だが、今年はその多くが店先に「店内は撮影禁止」、「当店での撮影は有料」などの内容の張り紙を貼っている。
中秋節を客と一緒に笑顔で迎えたいと思っている店主たちにとっても苦渋の決断だった。張り紙を貼ることに決めた理由は、マナー違反の若者への対策だ。彼らは商品を買うこともなく、店内で商品を持ってポーズをとり、何枚か写真を撮り終えると、商品を散らかしたまま去っていく。
店主らは「店内の撮影は有料と書いてあるが、実際にお金を取る気はない。張り紙の目的は一部のマナーを守らない若者たちに注意を促すためだ」と語る。中秋節は「子供のテト(Tet thieu nhi)」などとも呼ばれる。インスタ映えする装飾の数々に、テンションが上がるのは理解できるが、若者たちには小さな子供たちのお手本として最低限のマナーを守ってほしいものだ。