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地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンメック幹細胞遺伝子工学研究所(VRISG)は、ベトナム人ゲノムに関する研究を行い、世界的に権威のある科学誌「Human Mutation」で結果を発表した。
この研究は、VRISGが2016年12月から2019年3月までの27か月にわたって実施したもの。健康なキン族のベトナム人406人のゲノム分析を行ったもので、ベトナム人ゲノムに関する世界初の大規模データベースとなる。
ゲノムとは、遺伝子(gene)と染色体(chromosome)から合成された言葉で、遺伝情報の全体・総体のことを指す。
研究の結果、ベトナム人のゲノムはタイ人のゲノムと類似しており、遺伝的関係があることを示した。また、ベトナム人のゲノムは、中国南方の漢民族(漢族)のゲノムとは独立しており、一方で中国北方の漢族のゲノムとは大きく異なるという。
ベトナムは紀元前から中国王朝の属国として中国に支配されていた歴史があり、文化だけでなく遺伝の面でも大きな影響を受けているとされてきたが、今回の研究によりこれが誤った見解だったことが明らかになった。
VRISGは今後さらに、ベトナム人1000人のゲノム分析を実施する。ゲノム分析をもとに、多くの健康問題に関連する病気の早期発見と予防を行うことが狙いだ。