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ホーチミン市2区トゥーティエム新都市区のインフラ整備案件での違反について政府調査機関が26日に、調査結果を報告した。調査機関は報告書の中で、下記をはじめとした多くの深刻な違反があったと指摘している。
◇建設・譲渡(BT)方式によりインフラ整備案件を実施した際、入札を行うことなく投資家を指定したこと。
◇インフラ整備の見返りとして、投資家に不動産開発用地を割り当て、その用地の価値を過小評価することで(投資家が国に納付しなければならない)土地使用料を実際より低くしたこと。
◇問題となっているインフラ整備案件の投資家は、自らの不動産開発を目的に行っており、市内アクセスの利便性を向上させるというBT方式の本来の目的を果たしていないこと。
調査機関は上記の違反が国に多額の損失をもたらしたと結論づけている。案件には、複数の会社が関与しており、中でも事業主である自動車地場最大手のチュオンハイ自動車(Truong Hai Automobile=THACO)の子会社、ダイクアンミン不動産投資(Dai Quang Minh)が違反の裏で巨額の利益を獲得したとされる。
調査機関はこうした状況を踏まえ、同市人民委員会に対して、投資家に割り当てた不動産開発用地の土地使用料を再計算するなどの是正を求め、「年内に是正が見込めないようなら、公安機関に書類を提出して捜査を求める。」と強調。さらに、違反に関与した共産党政治局の上級幹部については、共産党中央検査委員会に報告して処分を求めることを明らかにした。
トゥーティエム新都市はサイゴン川を挟んで、市中心部の1区に隣接する2区トゥーティエム地区に位置する。同都市区の収支について、歳出が83兆3350億VND(約3900億円)、歳入が74兆6010億VND(約3500億円)で、▲8兆7340億VND(約▲410億円)の赤字を計上している。