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ハノイ市は、バス高速輸送システム(BRT)や都市鉄道(メトロ)など新しい公共交通機関の開発に注力しているが、この先15~20年も路線バスに利用者が集中し続けることが見込まれている。同市における路線バスは市内118路線で約2000台が運行されており、バス停3326か所、待合室361か所、中継地5か所が点在し、区・郡の100%、各種学校の100%、工業団地の86%をカバーしている。
同市では長年にわたり深刻な渋滞が問題となっているが、個人車両の急増に対し公共交通機関の整備が追い付いていないことが主な原因とされている。
同市都市交通管理センターによると、現時点で人口およそ1000万人の同市民が利用している交通手段のうち公共交通機関のシェアは、◇バス高速輸送システム(BRT):0.3%、◇路線バス:12.2%、◇タクシー:2.1%となっている。
つまり、公共交通機関は市民の往来需要の約15%に対応している。ところが、メトロは依然として営業が開始されておらず、BRTの運営も非効率的であるため、ほとんどを路線バスに依存していることになり、最低でも15~20年はこの状態が続くと見込まれている。
市内の路線バスを運行しているハノイ運輸総公社(Transerco=トランセルコ)によると、市内を走る路線バスの台数は2000年から15年連続で増加の一途を辿ったが、2015年以降の台数は横ばいだ。
ハノイ市は、市民の往来需要の20~25%を公共交通機関で対応することを目標としているが、バスの対応率は10%ほど。これを15%に上げるには2400台、20%に上げるには3300台の新車両が必要になるが、道路事情から新車両の導入は難しい。
このことから、トランセルコは今後競争が熾烈になるとされるメトロやBRT、タクシーなどの公共交通機関に対して、路線バスは台数を増やす代わりにサービスの質の向上に注力する必要があるとしている。