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北中部地方トゥアティエン・フエ省フエ市に住むボー・ゴック・フンさん(男性・63歳)がモモタマナの葉の葉脈標本で作るノンラー(Non La、円錐形の葉笠)が注目を集めている。フンさんがモモタマナの葉でノンラーを作るようになったのは2018年末からだが、既に海外からも注文が後を絶たない。
モモタマナのノンラーは収穫した葉の葉脈標本を作るところから始める。ベーキングパウダーを解いた水で葉を1時間ほど煮る。そこからさらに1か月浸け置きしたら標本のできあがり。
葉脈標本をノンラー職人のところへ持ち込み、笠の形に成形してやっと完成だ。1個のノンラーを作るのに2か月も要し、職人が1日に作れるノンラーも2個が精一杯のため、1か月に生産できるモモタマナのノンラーは最大でも60個。
モモタマナの葉を収穫するのも容易ではない。フンさんの自宅から20km離れた森の入り口にバイクを止め、そこから大きな袋と鎌を手に森の奥まで歩いて行く。
以前は木に登って葉を切り落としていたため木から落ちかけることもあったが、現在は高枝切りバサミを使っている。高枝切りバサミにはカメラが付いていてズームしながら、虫食いがなく厚くて硬い葉を選別して切り落とす。
ノンラー作り用の葉っぱを収穫するのは3月が最適だそう。乾季のため森の奥まで歩きやすく葉も虫食いなどが少ないからだ。しかしモモタマナの木は渓流の近くに生育しているため、そこまでたどり着くのも一苦労だという。
モモタマナの葉でできたノンラーは透き通っていて見た目も美しく、雨に濡れても破れる心配もなく笠としてもちゃんと機能する。
フンさんが作るモモタマナのノンラーは次第に人気を集め、ハノイ市に住む人から欧州へ輸出するために1000個の注文があったが、手工芸品で大量生産できるものではないため断らざるを得なかった。先日はモモタマナの葉脈標本を使ったテントを作るとして海外から500枚の葉脈標本の注文が入ったという。