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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄にあたる金正男(キム・ジョンナム)氏が2017年2月13日に滞在先のマレーシアで殺害された事件で、同事件の実行犯として逮捕・起訴されていたベトナム人のドアン・ティ・フオンさん(女性・30歳)が、3日午前6時20分(マレーシア現地時間7時20分)に釈放され、同日22時ごろにハノイ市ノイバイ国際空港に到着した。
フオンさんは2017年2月に逮捕されて以来、23回にも及ぶ裁判に臨み、今回が約2年3か月ぶりの帰国となった。帰国したフオンさんは白いニットのカーディガンを羽織り、サングラスをかけた出で立ちで、外務省領事局長およびベトナム弁護士連合会会長、マレーシア人弁護士3人、父親、弟とともに集まった報道陣の前に姿を現した。
フオンさんは3分間にわたり報道陣の質問に答えた後、自動車に乗って紅河デルタ地方ナムディン省の自宅へと向かった。フオンさんは「ベトナムとマレーシアの政府、弁護士の先生方に感謝している。刑務所の中でも良く扱っていただいた。将来の具体的な予定はまだ立っていないが、女優になるという夢は今も捨てていない。いつかマレーシアにも戻りたい」と話した。
ベトナム外務省のレ・ティ・トゥー・ハン報道官は同日、フオンさんの釈放と帰国について、「ベトナムの政府と外務省、関連機関とベトナム弁護士連合会、そしてマレーシア人弁護士らによるベトナム国民の保護に対する取り組みの結果だ」と述べた。
フオンさんは同事件でインドネシア人のシティ・アイシャさん(女性・26歳)とともに殺人罪で逮捕・起訴されていたが、事件については一貫して「ドッキリ番組の撮影だと思い込んでいた」とし、「自分は利用された」と無罪を主張してきた。
3月11日にアイシャさんは起訴を取り下げられ釈放された。マレーシア検察は4月1日の公判でフオンさんについても殺人罪から罪状の軽い「危険物による傷害罪」へと訴因変更し、禁固3年4か月を言い渡していた。