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メコンデルタ地方キエンザン省フーコック島でビングループ[VIC](Vingroup)が運営するベトナム初のサファリパーク型動植物園「ビンパール・サファリ・フーコック(Vinpearl Safari Phu Quoc)」でこのほど、希少なアフリカ産のシロサイ(学名Ceratotherium simum)の赤ちゃん2頭が相次いで誕生して奇跡的と話題になっている。ベトナムでは直近10年で初の事例だという。
シロサイは現存するサイ5種のうち1種で、主に北東アフリカや南アフリカに生息。角目的の乱獲により生息数が減少。生息数は現在、増加傾向にあるが、準絶滅危惧種に分類されている。国際動物福祉団体「ワイルドウェルフェア(Wild Welfare)」のデイブ・モーガン氏は、ビンパール・サファリについて、「野生動物にとって理想的な生息環境があり、ベトナムのみならず東南アジア有数の野生動物保護区になる可能性がある」と高く評価している。
サイは本来、自然環境の中では繁殖が容易な動物だが、保護区のシロサイの繁殖率は極めて低い水準にとどまっている。東南アジアの保護区では1973年以降、シンガポール動物園で生まれた10頭、マレーシアのタマン・サファリ動物園で生まれた4頭しか報告されていない。
野生動物を保護しているビンパール・サファリ・フーコックは2015年末にオープンし、2018年から現在までに370頭の新たな命が誕生。また、昨年オープンした南中部沿岸地方クアンナム省のビンパール・サファリ・ナムホイアンでは、この1年でサイやカバ、ベンガルトラなど100頭近くの野生動物の赤ちゃんが誕生している。