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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄にあたる金正男(キム・ジョンナム)氏が2017年2月13日に滞在先のマレーシアで殺害された事件で、同事件の実行犯として殺人罪で逮捕・起訴されたベトナム人のドアン・ティ・フオン被告の公判が1日午前にマレーシアの首都クアラルンプール近郊の高裁で開かれた。
マレーシア検察は裁判で、フオン被告について殺人罪から罪状の軽い「危険物による傷害罪」へと訴因変更した。フオン被告は起訴内容を認め、マレーシア検察は禁固3年4か月を言い渡した。
この日、フオン被告の父親も裁判を傍聴した。フオン被告は「とても嬉しい。これは公正な判決。ベトナム政府とマレーシア政府に感謝している」と笑顔を見せた。フオン被告は事件について、一貫して「ドッキリ番組の撮影だと思い込んでいた」とし、「自分は利用された」と無罪を主張してきた。
フオン被告は2017年2月の逮捕から換算すると2020年6月に釈放されることになるが、フオン被告の弁護士はマレーシアの法制度ではしばしば減刑が適用されるとし、来月の5月初週にも釈放されるとの見方を示している。
ベトナム外務省のレ・ティ・トゥー・ハン報道官は1日、フオン被告の安全な帰国に向けて外務省は当局やベトナム弁護士連合会と協力し、駐マレーシア・ベトナム大使館に対して必要な措置を講じるよう指示したことを明らかにした。
これに先立つ3月11日、マレーシア検察はフオン被告とともに逮捕・起訴されていたインドネシア人のシティ・アイシャ氏(女性・26歳)に対する殺人罪での起訴を取り下げた。同日、アイシャ氏は釈放された。
フオン被告は、同日の公判で初めての被告人質問が行われ法廷で供述する予定だったが、被告人質問を前にアイシャ氏のみが起訴を取り下げられたことで大きなショックを受け、弁護士の要請により被告人質問も延期された。
これを受けて、ファム・ビン・ミン副首相 兼 外相は翌日、マレーシアのサイフディン・アブドゥッラー外務大臣と電話会談を行い、フオン被告に関して公正な裁判の実施と被告の釈放を要請していた。