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東北部地方クアンニン省ウオンビー市にある仏教寺院「バーバン(Ba Vang)」が、「除霊」のためとして人々から年間で約1000億VND(約4.8億円)を徴収していたことが地元マスコミの調査で分かった。
調査によると、この仏教寺院の関係者は参拝時の説法などで「前世で悪行を働いた人は悪霊に取り付かれる」と人々に説き聞かせ、「除霊」のために数百万~数千万VND(100万VND=約4800円)の賽銭を寄付するよう求めていた。寄付の支払い方法は現金や銀行振り込みなどで、月賦支払いも可能とし、支払い能力がない人は無償で奉仕することになっていたという。
中でもある尼が、テト(旧正月)の連休中に西北部地方ディエンビエン省ディエンビエン郡で発生した女子大生強姦殺人事件について「前世の悪行の報い」とし、さらに「同性愛も前世の悪行の報い。前世が官僚で人に悪いことをした人はダウン症や脳麻痺を患う」と説法していたことが大きな話題になっている。
この寺院の住職は、多くの記者も参加した21日の説法で、「前世で悪行を働いた人が悪霊に取り付かれることは間違いなく、本寺院では除霊も行う」と除霊活動の事実を確認した。
しかし、除霊に伴う寄付金の徴収や、調達資金の使途などについては回答を控えた。説法の様子はこの寺院のウェブサイトとフェイスブック(Facebook)ページでライブ配信され、多くの視聴者を集めた。
ベトナムで除霊は迷信にあたるため、グエン・ゴック・ティエン文化スポーツ観光相は20日、同省捜査機関をはじめとする関連機関に調査を指示し、違反を発見した場合は処分や対策を提案するなどして25日までに調査結果を報告するよう指導した。
なお、同寺院が仏教を利用して迷信的な活動を行い、人々から金銭を騙し取った疑いをめぐり、クアンニン省警察は同省人民委員会の指示を受けて捜査を急いでいる。